「病院で【異常なし】と言われたお腹の不調の正体」

「検査しても異常なし」——その言葉に傷ついたことはありませんか?
お腹が痛くて病院に行った。血液検査も大腸カメラも異常なし。「問題ありませんよ」と言われて帰宅した。
でも症状は続いている。
「異常がないなら、これは気のせいなのか」「自分が弱いだけなのか」——そう思って、誰にも相談できなくなってしまう方がいらっしゃいます。
はっきりお伝えします。それは気のせいでも、気の持ちようでもありません。
「検査で異常なし」と言われるお腹の不調には、ちゃんとした原因があります。今回はその正体についてお話しします。
「異常なし」が意味すること
病院で行われる検査——血液検査、胃カメラ、大腸カメラ、腹部エコー——これらはすべて、臓器に「器質的な異常(構造上の病変)」がないかを調べるものです。
潰瘍、炎症、ポリープ、腫瘍、こういった「目に見える変化」を探すための検査です。
ここで「異常なし」と言われた場合、それは「臓器に病変がない」という意味であって、「なにも起きていない」という意味ではありません。
臓器の働き方(機能)や神経の感度、自律神経のバランスは、カメラや画像検査では映し出せないのです。
お腹の不調の「正体」は2つある
検査で異常が出ないお腹の不調の原因は、大きく2つの病態に分けられます。
①過敏性腸症候群(IBS)
腹痛、下痢、便秘、ガスなどの症状が慢性的に続くが、大腸カメラなどでは異常が見つからない状態です。
日本人の約10〜15%が該当するといわれており、特に10〜30代の若い世代に多く見られます。
主な症状:
- 腹痛・腹部不快感(排便すると楽になる)
- 下痢・便秘、またはその繰り返し
- お腹が張る・ガスが多い
- 電車やバスの中、会議中など「逃げられない場面」で症状が出やすい
②機能性ディスペプシア(FD)
みぞおちの痛みや重さ、食後のもたれ、早期満腹感、吐き気などが続くが、胃カメラでは異常が見つからない状態です。
主な症状:
- みぞおちの痛み・灼熱感
- 食後のもたれ・重さ
- 少し食べただけで満腹になる
- 吐き気・食欲不振
これら2つは別々の病態ですが、同時に抱えている方も多くいらっしゃいます。当院でも、IBSと機能性ディスペプシアの両方の症状を持つ患者さんが少なくありません。
では、なぜ症状が出るのか
IBSも機能性ディスペプシアも、共通して関わっているのが**「腸脳相関(ちょうのうそうかん)」**という仕組みです。

腸と脳は、迷走神経などを通じて常に双方向で情報をやり取りしています。脳がストレスを感じると腸の動きに影響し、逆に腸の状態が脳の気分や思考にも影響します。
「緊張するとお腹が痛くなる」「下痢が続くと気分が落ち込む」——これはまさに腸脳相関が起きているサインです。
この経路を通じて、以下のような変化が腸・胃に起きます。
①腸・胃の運動機能の乱れ 蠕動運動が過剰になったり、逆に弱くなったりすることで、下痢・便秘・もたれが生じます。
②内臓知覚過敏 通常では痛みとして感じない程度の腸・胃の動きを、強い痛みや不快感として感じてしまう状態です。これが「ちょっとしたことでひどく痛む」原因です。
③自律神経の乱れ ストレス、睡眠不足、不規則な生活などで自律神経が乱れると、消化器系の働きが大きく影響を受けます。
これらは胃カメラや大腸カメラでは一切映りません。だから「異常なし」になるのです。
「気のせい」と「機能の問題」はまったく違う
「検査で異常がないなら心療内科へ」と言われた経験がある方も多いと思います。
たしかに、ストレスや不安がIBSや機能性ディスペプシアを悪化させることはあります。しかしそれは「気のせい」ではなく、ストレスが自律神経を介して消化器系に実際の機能的変化を引き起こしているということです。
心の問題ではなく、神経と消化器の機能的な問題です。
鍼灸が「異常なし」のお腹の不調に効く理由
鍼灸は、まさにこの「機能の問題」にアプローチできる治療法です。
鍼刺激は自律神経系に直接働きかけ、乱れた自律神経のバランスを整えます。また、内臓知覚過敏を和らげたり、腸・胃の蠕動運動を改善したりする効果が、国内外の研究でも報告されています。
当院では来院患者の約7割がIBS・機能性ディスペプシアなどお腹の症状でのご相談です。帯広の北斗病院と鍼灸の共同研究を行った経験やデータを活かし、医学的・科学的なアプローチで施術に取り組んでいます。
「病院で異常なしと言われたけど、症状が続いている」という方こそ、ぜひ一度ご相談ください。

まとめ
- 「検査で異常なし」は「何も起きていない」という意味ではない
- IBSや機能性ディスペプシアは、腸・胃の「機能」と「神経の感度」の問題
- 腸脳相関を通じた自律神経の乱れが根本にある
- これらはカメラや画像検査では映らないため「異常なし」になる
- 鍼灸は自律神経・内臓知覚・腸の運動機能にアプローチできる
「異常なし」と言われてあきらめていた方に、この記事が届けば幸いです。

ととのえ鍼灸院 札幌市白石区 / JR白石駅徒歩5分 / 駐車場3台完備 ネット予約・LINE予約24時間受付中 TEL:011-875-9550
札幌市白石区のととのえ鍼灸院、院長の山本です。
鍼治療を探求し、患者様から「ここに来てよかった」と言って頂く瞬間のために情熱を注いでいます。
趣味は身体を動かす事、映画鑑賞、ドライブ、かわいいかわいい娘と遊ぶこと。


